菌の図鑑

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クロストリジウム イノキューム

クロストリジウム イノキューム
学名 Clostridium innocuum
分類 Firmicutes 門 Erysipelotrichia 綱
Erysipelotrichales 目 Erysipelotrichaceae 科
形状 桿菌
分布 ヒトの腸内
発見 1961年
発見者 スミスとキング(アメリカ)

クロストリジウム イノキュームとは

 クロストリジウム イノキュームは、1962年にアメリカのスミスとキングによって、感染症に罹患したヒトの膿胸、脳、虫垂などから分離されたことが、初めて報告されました。本菌は、偏性嫌気性、非運動性のグラム陽性桿菌で、卵型の芽胞を形成する性質を有します。現在、この菌種は乳児から老人まで健康なヒトの腸管に広く分布し、腸内フローラの構成細菌の1つであることがわかっています。

クロストリジウム イノキュームの分類

 クロストリジウム イノキュームは、ファーミキューテス門、エリシペロスリックス綱、エリシペロスリックス目、エリシペロソリックス科に属する細菌で、 ユーバクテリウム属の一部の菌種(ユーバクテリウム シリンドロイデス、ユーバクテリウム バイフォームなど)と遺伝的に近縁なため、現在ではクロストリジウム属に含まれるかどうか疑問視されています。そのため、これら遺伝的に近縁な菌群を便宜的にユーバクテリウム シリンドロイデスグループと呼ぶこともあります。また、寒天培地上に形成されるクロストリジウム イノキュームのコロニーの特徴がクロストリジウム ラモーサム、クロストリジウム クロストリジオフォルメと似ていることから、これらの3菌種はそれぞれの頭文字をとって、RICグループと呼ばれています。

クロストリジウム イノキュームとヒトの健康

 まれに免疫が弱った患者の血液や患部から分離されますが、マウスやモルモットなどによる実験では感染性や毒性は見出されておらず、なぜ感染症の患者から分離されるのか、また、ヒトの健康との関連や腸内でどのような役割を果たしているのかなど、今後の研究課題となっています。

出典

Smith L. D. & King E. Journal of Bacteriology 83(4): 938-939.(1961).
松木隆広 腸内細菌学雑誌 22 : 253-261.(2008).

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