中央研究所の概要
ヤクルト中央研究所は、
「予防医学にもとづき、有用微生物を利用して、生体調節機能をもった製品の開発を通じて企業理念の実現を果たす」をテーマとし、
ヤクルトグループの企業理念である「生命科学の追究を基盤として、世界の人々の健康で楽しい生活づくりに貢献します」の実現を目指します。
株式会社ヤクルト本社 中央研究所
- 設立
- 1955年4月(代田研究所としてスタート)
- 所在地
- 東京都国立市泉五丁目11番地
主な研究内容・分野
人の健康維持・増進・回復に役立つ食品・化粧品・メディカルバイオーム※製品の素材開発と利用の研究。
それを支える微生物学、栄養学、生理学、免疫学、生化学、生物工学、発酵工学、薬学、分析化学、疫学、情報科学
※メディカルバイオーム:Medical(医療)とMicrobiome(細菌叢)を合わせた造語
ヤクルトDNA ―代田 稔と代田イズム―
昭和5年、医学博士の代田 稔は、京都帝国大学医学部微生物学教室で、ヒトの健康に役立つ乳酸菌の強化培養に世界で初めて成功。この菌は、代田の名をとって「ラクトバチルス カゼイ シロタ株※」と名付けられました。
代田が乳酸菌を予防医学に役立てるための研究を始めた当時は、治療医学全盛の時代で、医学の分野での微生物研究は、まだ黎明期にありました。「シロタ株」の取得に成功したのは、ロシアのノーベル賞学者メチニコフによってヨーグルトの不老長寿説が発表されてから27年後のことでした。代田の研究とその成果は、予防医学の先駆けであったといえます。
代田は、病気にかからないための医学(予防医学)、腸を丈夫にして健康に長生きすること(健腸長寿)、「誰もが手に入れられる価格で」という考えを研究活動の原点としました。この哲学は「代田イズム」として、中央研究所の研究開発活動に継承されています。近年一般にもその言葉が知られつつある、微生物との共生を意味する「プロバイオティクス」の考え方は、有用微生物の働きで腸内の有害菌の増殖を抑え、腸の健康を維持して病気を予防しようとする「代田イズム」そのものです。
当研究所は、このプロバイオティクス分野の最先端研究機関として、その研究をさらに進歩・発展させ、人々の健康に寄与するため、生命科学を追究していきます。
研究所の沿革
1930
- 代田 稔博士が、人の健康に役立つ乳酸桿菌(現在のL.カゼイ・シロタ株※)の強化培養に成功
1935
- 「ヤクルト」の製造・販売拠点として、ヤクルト研究所を福岡に設立
[同年11月、代田保護菌研究所と改称(正式創業)]
1955
- 株式会社ヤクルト本社設立
- 京都に代田研究所を設立
1967
- 東京都国立市に研究拠点を移転(のちの中央研究所)
1976
- 研究所に分析センターを開設
1985
- 新研究棟(のちの南館)および安全性試験研究施設を増設
1992
- 腸内フローラ研究棟および図書厚生棟を増設
2005
- ベルギーに非営利法人ヤクルト本社ヨーロッパ研究所を設立
2006
2010
- 第1期新研究所建設工事(食品研究棟などを新設)
2012
2015
- 第2期新研究所建設工事(研究管理棟、医薬品・化粧品研究棟、品質・技術開発棟、基礎研究棟を新設)
2016
- 新研究所 完成
※2020年4月以降、ラクチカゼイバチルス パラカゼイ シロタ株(L.パラカゼイ・シロタ株)に分類されています。