組織構成と役割
微生物の“優れた力”と“可能性”を信じて人々の健康な生活づくりに貢献したい。
ヤクルト中央研究所は、病気にかからないための予防を重んじる「予防医学」、
腸を丈夫にして健康に長生きする「健腸長寿」、「誰もが手に入れられる価格で」という、
ヤクルトの創始者である代田 稔が提唱した「代田イズム」を研究活動の原点としてきました。
乳酸菌や腸内微生物にはどんな種類があり、どのようにヒトの健康に関わっているのか?
その探求と応用を長年繰り返すことで数々の成果を上げ、研究活動は現在なお続いています。
研究所に脈々と引き継がれる「代田イズム」。
この思想は中央研究所の開発研究を支える礎として研究者の中で生き続けています。
ヤクルトの企業理念
ヤクルト中央研究所では、企業理念に基づき、人としての誠実さや人間らしいあたたかさを忘れることなく、日本および世界、そして地球の健康に貢献するため、新しい研究に挑戦し続けてきました。これは、ヤクルト中央研究所の研究員一人ひとりの、いままでもこれからも変わらぬ想いです。
ヤクルトの父代田の思想と、創業当時から長きにわたる研究の実績は、未来につながる研究と人材を育ててきました。そしてユニークな研究の着目点は微生物研究をベースに、現在では地球環境の改善までをテーマとし、最先端で独創的な研究成果を生み出しているのです。
研究所のテーマと体制の考え方
ヤクルト中央研究所では、予防医学の最前線を切り拓き、腸内微生物の研究を中心とした研究で数々の成果をあげてきました。それらの研究を活用し、人々の健康の維持・増進に役立つ食品・化粧品・メディカルバイオーム※製品の素材開発と応用化研究を行っています。これらの研究活動においては、研究者が研究に打ち込める組織・環境づくりを模索するだけでなく、信頼のおける研究成果を発信できる体制の構築に努めています。
※メディカルバイオーム:Medical(医療)とMicrobiome(細菌叢)を合わせた造語
組織体制
ヤクルト中央研究所は、7つのジャンル別・機能別の研究所に加えて、研究所運営に関する業務を行う「事務部」、研究戦略の策定ならびに国内外における研究活動の推進や情報の統括管理と発信を担う「研究管理センター」で構成されています。そして、研究所における各種試験、研究業務、研究データの信頼性の確保と保証を担う独立した専門部署である「信頼性保証室」を置いています。
また、ベルギー王国ゲント市に設置された非営利法人ヤクルト本社ヨーロッパ研究所(ベルギー王国ゲント市)と連携し、グローバルな研究活動を推進しています。
商品が生まれるまで―研究・開発のステップ―
商品が生まれるまでには数多くのステップが存在します。中央研究所では、その中において主に機能性のある素材の開発部分を担っており、それはさらに「基盤研究」・「素材の開発研究」・「製品化研究」の3ステップで進行していきます。 候補となった素材は、各事業部の製品開発部門において本格的な製品開発が行われます。
対象となる分野に応じて、それぞれ注力するテーマが設けられています。食品分野では、健康の維持・増進とQOL向上に寄与する機能を持った素材、化粧品分野では、皮膚科学と微生物学に基づく安全性の高い有効な素材、医薬品分野では、マイクロバイオームを活用した医療分野に役立つ素材など、それぞれの領域でヤクルト独自の研究開発が行われています。