微生物研究所

微生物や生体試料の生理機能を解明するとともに、微生物や生体試料の収集と供給を行う

微生物研究所では、製造用菌株の種菌製造・育種および発酵技術の開発を行っています。
また、バイオリソース(微生物を含む生物資源)の機能解析を行うとともに、それらの関連情報も含めた収集・資源化を行い、
製品開発への応用可能な新たな生物資源や情報を提供しています。

研究領域

 ・バイオリソースの収集および保存・管理
 ・有用微生物の機能解明および栄養に関する研究
 ・発酵技術の開発および有用物質の探索
 ・微生物の遺伝情報や宿主への生理効果に関する情報の収集・利用
 ・有用微生物の大量培養技術の開発・支援

膨大な微生物ライブラリーから生まれる
ヤクルト製品

 難培養の微生物の単離など、微生物と長年向き合ってきたヤクルトならではの丹念な技術と、先人たちのたゆまぬ努力により築き上げられた膨大な微生物ライブラリーは一朝一夕には構築できません。この中から次世代のプロバイオティクスを探し出し、製品開発へつなげることも微生物研究所の大切な役割であり、微生物ライブラリーはヤクルト独自の研究開発を支える基礎となっています。

微生物コレクションの写真
乳酸菌やビフィズス菌などの微生物コレクション

高品質・高機能な製品づくりを根底から支える

 微生物研究所では、L.パラカゼイ・シロタ株をはじめとする製造用菌株を管理し、国内外の工場にこれらの種菌を供給しています。高品質で安定的な種菌供給なくしては、当社製品の「いつでもどこでも変わらぬ品質」を維持することはできません。また、独自の発酵技術を活用し、品質・機能面はもちろんのこと、風味の面からも製品づくりを支えています。
 ※旧名称はL.カゼイ・シロタ株

嫌気性菌の培養の写真
グローブボックスによる嫌気性菌の培養
生菌数測定の写真
自動コロニーカウンターによる生菌数測定

プロバイオティクスの新たな生理機能の解明

 L.パラカゼイ・シロタ株をはじめとする 当社プロバイオティクスの特徴を微生物側から探求するとともに、プロバイオティクスの増殖や生存に関するメカニズムを最新の技術を用いて解析しています。プロバイオティクスが増殖する際にどのような栄養源を利用しているのか、生きて腸にとどくためにどのような菌体の構造が関わっているのかなどについては、未だ不明な点が多くあります。プロバイオティクスの生理機能を明らかにすることで、製造現場での培養工程の改良、ヒトが摂取した際の生体への影響など、微生物研究所は当社の普遍のテーマを常に追究しています。

L.パラカゼイ・シロタ株の電子顕微鏡写真
L.パラカゼイ・シロタ株
B. ブレーベ・ヤクルト株の電子顕微鏡写真
B. ブレーベ・ヤクルト株
B. ビフィダム YIT 10347株の電子顕微鏡写真
B. ビフィダム YIT 10347株

プロバイオティクスの培養技術の開発

 プロバイオティクスを含む食品をお客さまに安定して提供するためには、微生物の大量培養技術の開発が不可欠です。当社独自のライブラリーから見出されたプロバイオティクスとして有望な微生物を食品素材に利用するために、培養技術などの生物工学的技術の開発を行っています。どのような条件で微生物を培養すれば安定して増えるのか、健康機能を高めることができるのか、基礎研究だけではなく、ものづくりの研究を行うことで、お客さまの健康に貢献できる食品の安定的な提供を目指しています。

1トン発酵タンクを用いた微生物の培養試験の写真
1トン発酵タンクを用いた微生物の培養試験
ジャーファーメンターの写真
ジャーファーメンター