免疫③:乳酸菌がNK活性を回復させる?!(前編)

低下したNK活性を乳酸菌で高めよう

 免疫力の指標のひとつであるNK活性は、さまざまな要因で低下します。このNK活性を高めるために、日頃の生活習慣の見直しなどはもちろんのこと、近年、効果が期待されているのが「乳酸菌」の摂取です。多くの乳酸菌の中から生きて腸までとどく乳酸菌として見出されたL.カゼイ・シロタ株には、これまでの研究で免疫調節作用を持つことが確認されており、低下したNK活性を回復させることがわかっています。

低下したNK活性を乳酸菌が回復させる?!.jpg

L.カゼイ・シロタ株の飲用によるNK活性の回復①

 NK活性は年齢とともに低下し、高齢者ではNK活性が低いことが知られています。そのような高齢者にL.カゼイ・シロタ株を含む飲料を飲んでもらい、NK活性の変化を調べました。試験は、病院に入院中の高齢者にL.カゼイ・シロタ株を400億個含む飲料またはL.カゼイ・シロタ株を含まない飲料(プラセボ)を7週間の休飲期間をはさんで、各々1日1本、3週間ずつ飲んでもらったものです。

 解析の結果、プラセボを飲んだときでは試験前よりもNK活性の低い人が多かったのに対し(図1)、L.カゼイ・シロタ株飲料を飲んだときは、飲用前と比べてNK活性が維持あるいは回復している人が多いことがわかりました(図2)。

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       図1                図2

L.カゼイ・シロタ株の飲用によるNK活性の回復②

 さらに、さまざまな要因でNK活性が低下している人に対するL.カゼイ・シロタ株の飲用効果を調べました。L.カゼイ・シロタ株を400億個含む飲料を1日1本、3週間に渡って毎日飲み続けた時のNK活性を測定したところ、飲用によってNK活性が上昇するという結果が得られました(図3)。図では示していませんが、L.カゼイ・シロタ株を含まないプラセボを飲んだ場合には、NK活性の変化は見られませんでした。 さらに、飲用前のNK活性が高い人では大きな変化が見られなかったのに対し、飲用前のNK活性が低い人ほどL.カゼイ・シロタ株飲料を飲んだ後の変化が大きいこともわかりました(図4)。

 この試験から、L.カゼイ・シロタ株はNK活性を一方的に高めるのではなく、低下したNK活性を回復させる働きをもつと考えられます。ただし、飲用を止めてしまうとその効果はある程度続くものの、その後は飲用前の状態に戻ってしまいました。
 NK活性を程よい状態に維持するにはL.カゼイ・シロタ株を毎日継続して飲むことが大切だと言えます。

Lカゼイ・シロタ株によるNK活性グラフ.jpg
図3
飲用前・後のNK活性グラフ.jpg
図4

【出典】
・K. Takeda, et.al., Clinical and Experimental Immunology.146,p109-115 (2006)
・F. Nagao, et.al., Biosci. Biotechnol. Biochem. 64, p2706-2708 (2000)