食後の血糖値対策の重要性②

伝統的に飲用されてきた「グァバ葉茶」に着目

 糖尿病予防の基本は、適度な運動とバランスの良い食事です。幸いなことに、運動や食事といった生活習慣をきちんと正すことができれば、糖尿病へ移行する予備軍の段階で糖尿病を予防することができます。また、ヤクルト中央研究所が糖尿病予備軍の方の食生活のサポートとしてお勧めしたいのが、「グァバ葉茶」です。
 「グァバ葉茶」とは、グァバの葉から作られたお茶のことです。 グァバは、日本ではバンジロウあるいはバンザクロ、中国や台湾ではバンセキリュウの名で呼ばれており、昔から果実、樹皮あるいは葉が民間療法薬として珍重されてきました。

グァバの木

 

 その効能は、下痢、湿疹、肥満症、糖尿病、そして糖尿病の合併症のひとつである歯槽膿漏にも有効であったという報告があるそうです。ヤクルト中央研究所では1990年代から、中国、台湾あるいは沖縄で昔から糖尿病の方に飲まれていたこの「グァバ葉茶」に注目して研究を進めてきました。その結果、「グァバ葉茶」に含まれている『グァバ葉ポリフェノール』が、その有効成分であることが分かってきました。
 通常、血糖値は食後30分くらいでピークとなり、その後2時間くらいかけて、すい臓から分泌された血糖値を下げるインスリンというホルモンの作用で下がっていきます。
 一方、糖尿病患者や予備軍では、インスリンの作用が不足してしまうため、食後の血糖値の上昇が著しく、しかも上昇した血糖値が正常レベルにまで下がりにくい、『食後高血糖』と呼ばれる状態になります。『グァバ葉ポリフェノール』の効果を検証するために、「グァバ葉茶」を飲みながら食事をした場合と、白湯を飲んだ場合の食後血糖値の変化を比べてみました。
その結果、白湯を飲んだ場合よりも、「グァバ葉茶」を飲みながら食事をした場合の方が、食後の血糖値が低いことが分かりました。このことから、「グァバ葉茶」には、"食後血糖値の上昇を抑える効果"があることが立証されました。

食後の血糖値の上昇を抑えるグァバ葉ポリフェノールの働き

 私たちは食べ物を消化・吸収することによりエネルギーを得ています。たとえば、でんぷん、麦芽糖およびショ糖などの糖質は、ブドウ糖のような小さな分子にまで分解されてから、小腸で吸収されます。『グァバ葉ポリフェノール』にはこれらの糖質を分解する酵素"唾液およびすい臓のα-アミラーゼ活性や小腸粘膜に存在する二糖類分解酵素"の活性を阻害し、ブドウ糖へ分解されるのを抑制する働き(糖質分解酵素の活性を阻害する作用)があり、これによって食後の血糖値の上昇が抑えられるのです。

グァバ葉ポリフェノールの働き

 

 糖尿病予備軍の方は、この『グァバ葉ポリフェノール』が含まれている「グァバ葉茶」を食生活に上手に取り入れることが、糖尿病予防の有効な手段のひとつと考えていただくと良いのではないでしょうか。


【出典】
・出口ヨリ子他, 日本農芸化学会誌2, p923-931 (1998)