健腸長寿①:序章(腸と腸内細菌)

「健腸長寿 ―腸と腸内細菌―」序章

 ヤクルトの生みの親である代田 稔は、20世紀初頭、栄養状態や衛生環境の悪化から、多くの日本人が感染症で命を落としていた時代に、京都帝国大学(現在の京都大学)の医学部で研究生活を送りました。代田は、「非病原微生物による病原微生物の抑制」をテーマに研究を進める中で、「乳酸菌を摂取することにより、腸内の有害菌の増殖を抑え、腸の機能を正常な状態に維持することができるのではないか」と考えました。地道な努力の中で、選別・選出されたのが、後にL.カゼイ・シロタ株と呼ばれる強化乳酸菌です。

 代田は、病気にかかってから治療するのではなく、病気にかからないための予防が大切であり(予防医学)、そのためには栄養素を吸収する場である腸を丈夫にしておくことが大切で、それが健康で長生きにつながると考えました(健腸長寿)。そして、この乳酸菌を多くの人々の健康に役立てるために、手軽に摂取できる食品を開発し、「健腸長寿」の思想の普及に努めました。代田の考えは「代田イズム」と呼ばれ、時代が変わり、技術が進歩した現在でもヤクルトグループの原点として受け継がれています。

 最近の研究によれば、腸は人体最大の免疫器官であり、生体防御(体を守る働き)の最前線であることがわかってきました。また今日、腸内細菌と人の健康との関わりは、世界で最も注目されている研究分野のひとつとなっています。代田が注目した「腸」と「腸内細菌」は、現在においても、体全体の健康を守る基盤といえるのです。

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