強化培養
強化培養は、微生物の能力を高める育種(いくしゅ)法のひとつです。少ない負荷から始めて徐々に負荷を増やし、より大きな負荷に耐えられるものを選抜していきます。
たとえば生きて腸に届く乳酸菌を「強化培養」するとしましょう。飲用した乳酸菌は、強い殺菌力がある胃液、胆汁にさらされるため、これらの関門に耐える能力を高める必要があります。そこでまず、塩酸などを含む胃液に似せた溶液(人工胃液)に乳酸菌を入れて培養し、生き残った乳酸菌を選びだします。続いて、胆汁酸などを含む腸液に似せた溶液(人工腸液)に乳酸菌を入れて培養し、生き残った乳酸菌を選び出します。この二段階の選抜を通して、生きて腸に届く乳酸菌が「強化培養」されます。
強化培養では、求める能力を高めるためにどのような選抜方法をとるかだけでなく、負荷のかけ方も重要です。強すぎれば全滅してしまうし、弱すぎれば鍛えることにならないからです。スポーツ選手を育成するトレーナーに似ているかもしれません。
(2023年4月時点)
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