小胞体ストレス
私たちの体を構成する最も重要な成分の一つが、タンパク質です。その量は全体重の約20%に及ぶと言われており、水分以外では最も多い成分です。皮膚、内臓や骨などの組織を構成するだけでなく、免疫抗体やヘモグロビンなど、さまざまな形で体の中に存在しています。
タンパク質は、あらゆる細胞の中に存在する「小胞体」と呼ばれる器官で合成されます。しかし、ストレスや遺伝的な要因により、合成が正常におこなわれず、タンパク質の不良品が小胞体の内部に蓄積されてしまうことがあります。これが原因で細胞機能に悪影響が及ぶことを、「小胞体ストレス」と呼びます。
もともと細胞には、ある程度の小胞体ストレスを回避する能力が備わっていますが、この能力を越えるストレスが蓄積されると、細胞死が誘導され、その細胞を含む組織、ひいては体全体に問題が生じます。小胞体ストレスは、神経変性疾患、糖尿病や大腸炎など、さまざまな疾患に関与することが明らかにされています。
(2023年4月時点)
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