前立腺がんは、男性だけにある前立腺にがんが発生する病気です。前立腺がんの罹患率は、加齢と共に直線的に増加します。日本では2000年代に入ってから罹患率が急増しており1)、その原因として、高齢者の増加、食生活の欧米化、前立腺がん診断法の進歩が考えられています。

　日本人の罹患率は、欧米諸国より低く、ハワイに移住した日系人は日本在住の日本人と米国人の中間の罹患率を示します。アジア地域で多い大豆関連食品の摂取と、前立腺がんの低罹患率との関連性も注目されています。現在は血液検査（PSA：Prostate Specific Antigen）の普及により、早期がんが発見されるようになってきました。

　発生および進行には男性ホルモンが関与しており、リスク要因として加齢や家族歴が挙げられますが、発生のメカニズムはよく分かっていません。予防には動物性脂肪の摂取を少なくし、緑黄色野菜を多くとるバランスの良い食事がよいと考えられています。

【参考】
　1) 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」（全国がん登録）（2023年4月時点）

（2023年4月時点）