ビフィズス菌
ビフィズス菌は1899年、パスツール研究所のティシエにより母乳栄養児の糞便から初めて発見されました。その後、嫌気培養技術の進歩に伴い、母乳栄養児に限らず人の主要な腸内細菌であることなどが分かってきました。現在までに約100種のビフィズス菌が分離されています1)。
ビフィズス菌は母乳中のオリゴ糖をはじめ、各種の糖を利用して乳酸と酢酸を作ります。乳酸を作るという特徴から、乳酸菌のなかまとされる場合もあります。これらの有機酸が腸内の環境を整えるのに有効にはたらくため、腸内における有用菌として広く知られています。現在ではビフィズス菌をプロバイオティクスとして積極的に摂取できる発酵乳が市販され、ビフィズス菌を増やすガラクトオリゴ糖を含む食品も開発されています。
近年では整腸効果はもとより、潰瘍性大腸炎や過敏性腸症候群の症状緩和など、広くビフィズス菌と腸の健康との関連性が見出され、更に胃の健康に寄与する菌株も発見されています。
【参考】
1) Parte, A.C., Sardà Carbasse, J., Meier-Kolthoff, J.P., Reimer, L.C. and Göker, M. (2020). List of Prokaryotic names with Standing in Nomenclature (LPSN) moves to the DSMZ. International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology, 70, 5607-5612; DOI: 10.1099/ijsem.0.004332
https://lpsn.dsmz.de/genus/bifidobacterium(2023年4月時点)
(2023年4月時点)
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