微生物の垂直伝播
垂直伝播(または母子伝播)は、母親が保持する細菌やウイルスが胎盤、産道、母乳を通じて胎児や新生児に伝播される感染様式のことです。病原体としては、B型肝炎ウイルス(HBV)やヒト免疫不全ウイルス(HIV)などが垂直伝播することが分かっています。
近年、母親の腸内細菌が生まれてきた子供の腸内へ伝播することも証明されました。胎児は無菌状態であり、生まれて間もない頃の免疫系はまだ不完全なものです。腸内細菌は、子供の免疫機能の構築や感染防御機構の発達において、重要な役割を果たします。そのため生まれたばかりの子供の腸管内に、良好な細菌が定着するかどうかが、生涯の健康状態を左右する重要な要素の一つであると考えられています。母親の腸内細菌が子供にも受け継がれることが分かったことから、妊娠中の母親は生まれ来る子供の健康のためにも、良好な腸内環境の維持に心がけることが望ましいと考えられます。
(2023年4月時点)
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