難培養菌
ヒトの腸内には、およそ1000種類、約100兆個の細菌が存在していますが、そのほとんどが培養することが困難な菌です。これを難培養菌と呼びます。ただし、難培養菌といっても、増殖に適した条件さえ整えれば培養することが可能であると考えられます。
ヤクルト中央研究所では、ヒトの腸内細菌の役割を詳細に調べるために、今まで分離培養できなかった細菌を幾種も分離し、新菌種として報告しています。例えば、「Phascolarctobacterium succinatutens(ファスコラークトバクテリウム スクシナテュテンス)」という細菌は、増殖のために炭水化物をほとんど利用せず、代わりにコハク酸という基質を利用する特徴があります。ヒトの腸内にはコハク酸を産生する細菌がいるので、コハク酸を介しての共生関係が考えられています。コハク酸は、腸内で増え過ぎると下痢を誘発するので、コハク酸を利用する細菌の存在はヒトにとって有益な作用をもたらしていると考えられます。
(2023年4月時点)
“難培養菌”の関心度
「難培養菌」の関心度を過去90日間のページビューを元に集計しています。
3か月前
今日