PCR
PCR (polymerase chain reaction、ポリメラーゼ連鎖反応)法は、DNA配列の断片を大量に増幅する分子生物学の手法です。鋳型となるDNA、DNA合成の起点となるプライマー、DNAの材料となるヌクレオチド、DNA合成酵素などをチューブ内に入れ、94℃(DNAを1本鎖に熱変性させる)→55℃(プライマーをDNAに対合させる)→72℃(DNAを合成する)といった3段階の温度変化を周期的に行わせるだけで、2本のプライマーにはさまれたDNA断片を短時間でおよそ10万倍に増幅できます。
1988年Mullisは、PCR反応に温泉から分離された好熱菌由来のDNA合成酵素を用いる方法を確立し、1993年にノーベル化学賞を受賞しています。現在では、DNA診断、DNAクローニング、細菌やウイルスの検出、さまざまな生物のゲノム決定などの幅広い分野で利用されています。PCR法の発見がなかったら現在のバイオの発展はもっと緩慢なものになっていたでしょう。
(2023年4月時点)
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