健康用語の基礎知識

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[英数]
 α-グルコシダーゼ阻害
 B細胞
 FISH法( 蛍光 in situ ハイブリダイゼーション法 )
 GABA(γ-アミノ酪酸)
 IgE抗体
 IL-10
 METs(メッツ) 
 MRSA
 NK細胞
 NST(Nutrition Support Team)
 p-クレジル硫酸(パラクレジル硫酸、p-クレシル硫酸)
 PCR
 RT-PCR
 SIRS
 SSI( Surgical Site Infection :手術部位感染)
 Toll様受容体
 TOSムピロシン培地
 T細胞
[あ行]
 アグリコン
 アトピー性皮膚炎
 アルコール性肝障害
 アレルギー
 アンチエイジング
 アンチバイオティクス
 アントシアニン
 
 胃酸
 萎縮性胃炎
 イソフラボン
 遺伝子変異
 胃不定愁訴
 インスリン抵抗性
 院内感染
 インフルエンザ
 ウレアブレステスト(尿素呼気試験)
 疫学研究
 エコール
 塩酸イリノテカン
 炎症
 炎症性腸疾患
 オープン試験・ランダム化試験
 オキサリプラチン
[か行]
 角層水分含量
 過敏性腸症候群(IBS: Irritable bowel syndrome)
 花粉症
 ガラクトオリゴ糖
 がん幹細胞
 感染性合併症
 機能性消化管障害
 機能性ディスペプシア
 強化培養
 共生、宿主
 菌血症
 グァバ葉ポリフェノール
 クラスター解析
 グラム陽性(陰性)菌
 クロレラ
 ゲノム解析
 下痢
 研究レビュー(システマティックレビュー、Systematic Review(SR))
 交感神経
 抗菌ペプチド
 高血圧
 抗原・抗体
 抗酸化
 抗生物質(抗菌薬)耐性菌
 抗糖化
 コホート研究
 コルチゾール
 コレステロール
[さ行]
 サイトカイン
 細胞壁多糖
 自己免疫疾患
 脂質異常症(高脂血症)
 歯周病
 自然免疫
 周術期(周手術期)
 樹状細胞
 種多様性
 硝化細菌
 上気道感染症(かぜ症候群)
 小腸
 上部消化管
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 シンバイオティクス
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 ストレス
 制御性T細胞(Treg)
 整腸作用
 セグメント細菌
 染色体異常
 前立腺がん
[た行]
 大うつ病
 大腸
 大腸がん
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 タイトジャンクション
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 多糖 - ペプチドグリカン複合体
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 腸炎関連大腸がん
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 腸管神経系
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 適応(獲得)免疫
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[な行]
 内分泌かく乱化学物質
 難消化性
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 乳酸菌
 乳酸菌発酵エキス
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 ノロウイルス
[は行]
 パイエル板
 敗血症
 培養法
 パイロシークエンス(パイロシークエンシング)法
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 微生物の水平伝播
 ヒトミルクオリゴ糖
 ビフィズス菌
 皮膚バリア機能
 肥満
 表在性膀胱がん
 日和見感染症
 ピロリ菌
 フェノール類
 フコイダン
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 プラセボ
 プラセボ対照二重遮蔽二群並行試験
 プレバイオティクス
 プロテオーム
 プロバイオティクス
 分泌型IgA抗体
 ペプシノゲン
 変異原性
 便秘
 放射能
 ポストゲノム
 ホスファチジルセリン
[ま行]
 マイクロアレイ
 マイクロバイオーム
 マクロファージ
 慢性炎症
 迷走神経
 メタゲノム解析
 メタボリックシンドローム
 免疫
 モノクローナル抗体
[や行]
 薬物相互作用
 予防医学
[ら行]
 ラメラ構造脂質
 リーキーガット(Leaky Gut、腸管壁侵漏)
 リボソームRNA(rRNA)
 リポ多糖(LPS:Lipopolysaccharide)
 レム睡眠・ノンレム睡眠
[わ行]

過敏性腸症候群(IBS: Irritable bowel syndrome)

 過敏性腸症候群とは、IBS(irritable bowel syndrome)とも略称され、腹痛あるいは腹部膨満感などの腹部症状と、下痢あるいは便秘などの便通異常を主体とする症状が、潰瘍やがんなどが認められないにもかかわらず持続する消化管の機能的疾患です。
 国際的な診断基準(Rome IV基準)1)では、次のように定義されており、さらに便通の状態により、便秘型、下痢型、混合型、分類不能型があります。

 繰り返す腹痛が、最近3か月の間で平均して少なくとも週1日あり、次のうち2つ以上の基準を満たす。
  ①排便すると症状が改善する
  ②排便頻度の変化を伴う
  ③便形状(外観)の変化を伴う
 少なくとも診断の6か月以上前に症状が現れ、最近3か月間は基準を満たしている。

 日本の有病率は人口の10-20%で、女性の方が男性よりも多いことが報告されています。IBSの発症には腸内細菌叢や腸内環境の悪化、腸管粘膜の透過性亢進や微小炎症により引き起こされる腸の知覚過敏が関与するといわれています。また、IBSは精神的ストレスや環境の変化によって症状が悪化することも知られています。これは、精神的ストレスが腸の機能に影響を及ぼし、腸の機能の変調によるストレス刺激が脳に伝わって苦痛や不安が増す「脳腸相関の悪循環」によると考えられています。
 また、IBSは、カンピロバクター、赤痢菌、サルモネラなどによる感染性腸炎をきっかけに発症する場合もあり、感染性腸炎後IBSと呼ばれています。
 IBSの治療法には、生活指導、食事療法、薬物療法が挙げられます。近年では、腸内細菌叢や腸内環境の改善、腸管上皮のバリア機能の強化、および免疫系や神経系のバランスの調節が期待できるプロバイオティクスを、治療法の一つとして用いることが推奨されています。

【参考】
 1) Rome Foundation. Rome IV Criteria Appendix A: Rome IV Diagnostic Criteria for FGIDs.
   [C] Bowel Disorders. 16 January 2016.
   https://theromefoundation.org/rome-iv/rome-iv-criteria/(2023年2 月時点)
 2) 機能性消化管疾患診療ガイドライン2020改訂第2版 過敏性腸症候群(IBS)日本消化器病学会編集

(2023年4月時点)

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