セグメント細菌
セグメント細菌(Segmented Filamentous Bacteria)は、分節のある繊維状の菌で、腸管上皮細胞に密着して生存することを特徴としています。さまざまな動物の腸管内(特に小腸)に常在する細菌ですが、ヒトでの存在はまだはっきりしていません。セグメント細菌は腸管免疫の発達に重要な役割を果たしており、腸管免疫の中心となるパイエル板を発達させ、腸上皮細胞の間に存在するT細胞の数やIgA(抗体の一種)の分泌量を増やす働きがあります。
さらに最近、セグメント細菌が腸管のT細胞の一種であるTh17細胞を誘導することが明らかになり、注目されています。Th17細胞は、細菌や真菌に対する感染防御に役立っていますが、一方でその行き過ぎた応答が自己免疫疾患である慢性関節リウマチやクローン病・潰瘍性大腸炎などに関わることが知られています。したがって、腸内のセグメント細菌の働きをコントロールできれば、感染症や自己免疫疾患の予防や治療に役立つ可能性が考えられます。
(2023年4月時点)
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