菌の図鑑

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セグメンテッド フィラメンタス バクテリア

セグメンテッド フィラメンタス バクテリア
学名 Candidatus Arthromitus
分類 Firmicutes 門 Clostridia 綱
Clostridiales 目 Lachnospiraceae 科
通称 Segmented Filamentous Bacteria;SFB、セグメント細菌
形状 長桿菌
分布 哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類、昆虫など生物の腸管
発見 1849年
発見者 ライディー(アメリカ)

特徴のある菌の形

 セグメンテッド フィラメンタス バクテリアは、分節(segmented;セグメント)のある繊維(filamentous;フィラメント)状の菌の総称です。直径0.7~1.8マイクロメートル、長さ2~1000マイクロメートルという、非常に大きな細菌で、芽胞形成菌です。最初に昆虫の腸にこのような菌が存在することがライディーにより報告され、その後、哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類などの多くの生物の腸に存在することが知られるようになりましたが、ヒトでの存在はまだはっきりしていません。また、腸内から取り出して培養することに成功していないため、菌体成分や代謝産物などの研究は進んでいません。昆虫のセグメント細菌はバチルス セレウスであることが明らかにされていますが、マウス、ラット、ニワトリなどのセグメント細菌は遺伝子レベルの分類では、クロストリジウム属に比較的近く、これらの暫定学名はCandidatus Arthromitus (キャンディデイタス アースロミタス)です(1995年、スネルらが命名)。キャンディデイタスは、培養に成功していないために生物学的データが不十分な原核生物の分類学上の暫定的な地位で、アースロミタスはギリシャ語のarthron(節)、mitos(糸)に由来します。

免疫の発達との関わり

 腸内に細菌のいない無菌動物は免疫が未発達で、免疫に関わる細胞の数や抗体の産生量が少なくなっています。しかし、無菌マウスにセグメント細菌を定着させると腸管免疫の中心となるパイエル板が発達し、リンパ球の数やIgA(抗体の一種)の分泌量も増えます。マウスでは、セグメント細菌が小腸下部の絨毛やパイエル板などの免疫組織に多く接着している像が観察されていますが、これはセグメント細菌の働きと密接な関連があると考えられます。セグメント細菌と免疫の発達との関わりは宿主特異的で、例えばマウスの免疫を発達させるのはマウスから取り出したセグメント細菌だけであり、マウスにラットから取り出したセグメント細菌を定着させても免疫の発達を促さないことが分かっています。

注釈

※ 芽胞(がほう) : 胞子と同じ意味。細菌学の分野ではこの呼び方が多い。

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