バクテロイデス フラジリス
| 学名 | Bacteroides fragilis |
|---|---|
| 分類 | Bacteroidota 門 Bacteroidia 綱 Bacteroidales 目 Bacteroidaceae 科 |
| 形状 | 桿菌 |
| 分布 | 腸内 |
| 発見 | 1898年 |
| 発見者 | ベイロンとズーバー(フランス) |
菌の特徴
バクテロイデス フラジリスは、0.8~1.3×1.6~8.0マイクロメートルの大きさの偏性嫌気性グラム陰性桿菌で、芽胞を作らず、運動性を持ちません。偏性嫌気性菌にとって酸素は致死的要因として作用し、菌種によっては、酸素に暴露されると数分で死滅するものもいますが、この菌は偏性嫌気性菌の中でも比較的酸素耐性があり、数時間、酸素に暴露してもほとんど死滅しないといわれています。また、ヒトの口腔内から腸内までの細菌叢を構成する優勢菌のひとつであり、基本的には病原性は低いですが、体の抵抗力が弱くなったときに病気を惹き起こすこともある細菌です。
嫌気性菌感染症の原因菌
普段は無害であるバクテロイデス フラジリスを含む嫌気性常在菌が、体の中で本来無菌状態であるべき部位(血管や腹腔内)に入り込むことによって感染が成立することを嫌気性菌感染症といいます。重症化すると敗血症や腹膜炎等になることもあります。また、バクテロイデス フラジリスの多くは、β-ラクタマーゼという薬剤耐性に関わる物質を産生することにより、臨床の現場で頻用される抗菌薬のペニシリンなどを不活化させるため、この菌が感染患部から検出された場合は慎重に有効な薬剤を選択する必要があります。
有用な働きも
近年の研究で、有用な働きをするバクテロイデス フラジリスの研究例が報告されています。腸炎発症モデルの無菌ネズミの腸内に、ヘリコバクター ヘパティカスという腸炎原因菌とこのバクテロイデス フラジリスを同時に植え付けると腸炎を発症しなかったそうです。このバクテロイデス フラジリスはポリサッカライドAという糖質分子を分泌し、この物質が免疫のバランスを正常に保って腸の炎症を抑制している可能性があります。
【参考資料】
1) 竹田 美文ら(編). 「細菌学」朝倉書店. 2002.
2) Sujino T et al. 日本臨床免疫学会会誌. 2012;35(5):399-411.
3) Mazmanian SK et al. Nature. 2008;453(7195):620-5.
(2023年6月時点)
“バクテロイデス フラジリス”の関心度
「バクテロイデス フラジリス」の関心度を過去90日間のページビューを元に集計しています。
3か月前
今日
菌の図鑑関心度ランキング
-
- 6位
- バチルス セレウス

