菌の図鑑

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サテレラ パルビルブラ

サテレラ パルビルブラ
学名 Sutterella parvirubra
分類 Proteobacteria 門 Betaproteobacteria 綱
Burkholderiales 目 Sutterellaceae 科
形状 球桿菌
分布 ヒトの腸内
発見 2008年
発見者 佐近ら(ヤクルト中央研究所)

菌の特徴

 サテレラ パルビルブラはメガモナス ファニフォーミスと同時に、ヤクルト中央研究所が「腸内未知菌」探索の取り組みを開始してから初めて発見した菌です。

 この菌は偏性嫌気性※1のグラム陰性※2球桿菌※3で芽胞※4を作らず、運動性も持ちません。菌の大きさは0.4~1×0.4~2マイクロメートルと非常に小さく、平板培地上では培養に失敗したのではないかと思うような小さなコロニーしか形成しません。そのため、性質を調べるために菌を集めることがとても困難な菌のひとつです。しかし、集めた菌を固まりで見ると赤色であるという特徴を持っていました。

 そこで、小さくて"small"赤い"red"という意味のラテン語"parvus"、"ruber"からparvirubraと命名しました。

誰にでもいるのか

 サテレラ属は、これまでサテレラ ワズワーセンシス、サテレラ ステルコリカニスの2つの菌種が報告されていました。サテレラ ワズワーセンシスは胃腸の感染症の患者から、サテレラ ステルコリカニスは犬の糞便からそれぞれ発見されており、健康な人から分離された報告はありませんでした。

 細菌由来の遺伝子配列データベースを調べると、サテレラ属に分類される腸内細菌の存在を示唆するデータが各国の研究グループから報告されています。また、パラサテレラ属という近縁な細菌もその後見つかり、この菌もまたヒトの腸内に普遍的に存在している菌であると考えられます。

 サテレラ属のような糖の資化性がなく反応性に乏しい菌が、どのようにして腸内に定着し、宿主にどんな影響を与えるのかはまだ不明ですが、現在行われているゲノム解析の結果から、徐々に明らかになっていくことが期待されます。

出典

Sakon H et al.Sutterella parvirubra sp. nov., and Megamonas funiformis sp. nov., isolated from human faeces.International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology.58(4):970-975(2008)

注釈

※1 偏性嫌気性菌 : 特に酸素を嫌う性質の菌。

※2 グラム陽性/陰性 : 細菌を色素で染色し、それにより細菌を分類する基準のひとつ。紫色に染まるものは陽性、紫色に染まらず赤く見えるものは陰性と区別される。染色の違いは細胞壁の構造の違いによる。

※3 球桿菌 : 桿菌の中でも長径と短径の比率がほとんど変わらず、球菌と見分けのつかない菌。

※4 芽胞(がほう) : 胞子と同じ意味。細菌学の分野ではこの呼び方が多い。

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