菌の図鑑

私たちのくらしの中で息づく、菌たちの素顔を覗いてみませんか?

細菌の命名に関するルール

 細菌の命名は「国際原核生物命名規約」に従って行われます。この規約は「国際微生物学連合」の「国際原核生物分類命名委員会」によって定められたもので、公式出版物である「International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology」に掲載されるか承認されたものだけが分類名として認められます。
 分類名はラテン語またはラテン語化した語で表記され、学名となる属名と種小名には語源の説明を付けることになっています。Lacticaseibacillusラクチカゼイバチルス は乳を表すLacto、チーズを表すcasei、桿菌を表すbacillusの合成語です。
 また、属名や種小名などはその菌の発見者や、細菌学に貢献した研究者の名前に由来することが多くあります。赤痢菌の標準菌種(type species)は分類学的に Shigellaシゲラ dysenteriaeディセンテリー(Shiga 1897)Castellaniカステラーニ and Chalmersチャルマーズ 1919(Approved Lists 1980)と表記されますが、属名のShigella は1897年にこの菌を発見した志賀潔にちなんだもので、1919年にCastellaniとChalmersによって命名され、1980年に国際微生物学連合によって正式に承認されたということがわかります。

(2025年6月)