菌の図鑑

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ラクトバチルス アシドフィルス

ラクトバチルス アシドフィルス
学名 Lactobacillus acidophilus
分類 Bacillota 門 Bacilli 綱
Lactobacillales 目 Lactobacillaceae 科
通称 アシドフィルス菌
形状 小桿菌
分布 ヒトの腸管、口腔、膣内
発見 1900年
発見者 E. モロー(オーストリア)

アシドフィルス菌とは

 ティシエがビフィズス菌を発見した翌年の1900年、オーストリアのグラーツ大学のモローが乳児の腸内に多くすみついている、ビフィズス菌とは別の通性嫌気性の乳酸菌を新たに発見し、この菌をbacillus;バチルス(桿菌acid;アシド(酸を) philus;フィルス(好む)と命名しました。その後、アシドフィルス菌はLacto;ラクト(乳の)バチルス アシドフィルスと記載され、乳児の腸内だけでなく、成人や動物の腸内や口腔、膣内にも幅広く存在していることがわかりました。

 モローはさらに、アシドフィルス菌をはじめとする腸内常在菌が、外部から侵入してくる病原菌などに対して防御的な役割を果たしているのではないかと考えて研究を行っていました。近年、アシドフィルス菌の整腸作用や感染予防などの有益な作用が報告されてきています。また、本菌はヨーグルトや「アシドフィルスミルク」と呼ばれる発酵乳などの乳製品の製造に用いられています。

アシドフィルス菌の分類の変遷

 従来は形態や生化学性状をもとに菌の種類を決めていましたが、近年では分子生物学の技術の進歩に伴い菌の染色体DNAや16S rRNAの塩基配列の相同性を用いて決定する分類手法が用いられてきています。その結果、かつてアシドフィルス菌と呼ばれてきた一群は、現在ではラクトバチルス(以下:L.)アシドフィルス、L. アミロボラス、L. ガセリ、L. ガリナラム、L. クリスパータス、およびL. ジョンソニーの6種類に再分類されています。

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