カンピロバクター ジェジュニ
学名 | Campylobacter jejuni |
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分類 | Pseudomonadota 門 Epsilonproteobacteria 綱 Campylobacterales 目 Campylobacteraceae 科 |
通称 | カンピロバクター |
形状 | らせん状桿菌 |
分布 | ウシ、イヌ、ネコなどの腸内、糞便 |
発見 | 1931年 |
発見者 | R. ジョーンズら(イギリス) |
カンピロバクターとは
カンピロバクターは、古くからウシやヒツジなどの家畜で流産や腸炎を引き起こす菌として知られていましたが、1970年代に入って、ヒトにも腸炎を引き起こすことがわかりました。カンピロバクター腸炎の原因菌は大部分がカンピロバクター ジェジュニ(Campylobacter jejuni )で、残りはカンピロバクター コリ(Campylobacter coli )だと言われています。カンピロバクターはらせん状桿菌で、片端あるいは両端に1本の鞭毛をもっています。位相差顕微鏡では特有のらせん運動が観察され、発育には低い酸素濃度(微好気条件)を要求する微好気性菌です。なお、Campylobacter ;カンピロバクターとは「彎曲した菌」、jejuni ;ジェジュニとは「空腸」を意味します。
カンピロバクター食中毒
カンピロバクターは家畜や家禽、ペット(イヌ、ネコなど)の腸管内に広く分布しており、これらの動物の排泄物により汚染された食品や水を介してヒトに感染します。また、食肉、特に鶏肉はカンピロバクターに汚染されていることが多く、食中毒の主要な原因食品となっています。カンピロバクター食中毒は食中毒全体の約20%を占め、腸炎ビブリオやサルモネラと並んで、最も頻度の高い食中毒の一つです。カンピロバクターは低温に強く、冷蔵庫内でも長期間生存することから、生食肉と他の食品の接触を避け、また、生食肉は十分に加熱調理することが感染防止に重要です。
ヒトに感染すると、下痢、腹痛、発熱、血便を伴う症状が見られます。また、カンピロバクターの感染1~4週後に、自己免疫疾患の一つであるギラン・バレー症候群(運動障害を起こす神経疾患)を続発することがあるので注意が必要です。
(2023年6月時点)
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