菌の図鑑

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オドリバクター ラネウス

オドリバクター ラネウス
学名 Odoribacter laneus
分類 Bacteroidota 門 Bacteroidia 綱
Bacteroidales 目 Odoribacteraceae 科
形状 桿菌
分布 ヒトの腸内
発見 2010年
発見者 長井ら(ヤクルト中央研究所)

菌の特徴

 オドリバクター ラネウスは、偏性嫌気性の芽胞を持たないグラム陰性桿菌で、運動性を持ちません。菌の形状は、多形性の桿菌でさまざまに変形しています。菌体の大きさは、0.4~1.9×1.4~19.1マイクロメートルです。また、本菌は羊血液寒天培地上でベータ溶血性を示します。そして、2週間以上経過するとコロニーは色素沈着を起こしてきます。糖を資化する能力はありませんが、ゼラチンを加水分解し、トリプトファンからインドールを産生します。

オドリバクターの名前の由来

 オドリバクター属は、従来の分類ではバクテロイデス属であった菌種が、2008年にハーダムらによって再分類されて新属として登録されました。本菌のオドリバクター ラネウスの発見により、現在は3菌種となっています。ヒト糞便から分離された2菌種と犬の口腔から分離された1菌種です。オドリバクターという名前は、日本語では踊る菌?なんて思えてしまいますが、実は、"臭う"という意味のラテン語"odor "から名付けられています。

 本菌のラネウスという名前は、液体培地で培養したときの菌体や遠心したときの菌体の状況がふわふわと綿毛のような様子を示すことから、ラテン語で「羊毛のように柔らかい」を意味する"laneus "を使って命名しました。

出典

 Nagai F et al.Alistipes indistinctus sp. nov., and Odoribacter laneus sp. nov., common members of the human intestinal microbiota isolated from faeces.International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology.60(6):1296-1302(2010)

(2023年6月時点)

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