菌の図鑑

私たちのくらしの中で息づく、菌たちの素顔を覗いてみませんか?

フィーカリバクテリウム プラウスニッツイ

フィーカリバクテリウム プラウスニッツイ
学名 Faecalibacterium prausnitzii
分類 Firmicutes 門 Clostridia 綱
Clostridiales 目 Ruminococcaceae 科
形状 桿菌
分布 ヒトや動物(ブタ、ウシ、ネズミ)、家禽類、ゴキブリなどの消化管
発見 1922年
発見者 C. プラウスニッツ(ドイツ)

名前の移り変わり

 1922年、微生物学者のプラウスニッツは胸膜にたまった膿から微生物を分離し、バチラスムコサスア ネロビウスと名付けました。この微生物は、バクテロイデス属の特徴である、嫌気性でグラム陰性の、芽胞をつくらない桿菌という性質をもつことから、1937年にオーデュロイらにより、バクテロイデス プラウススニッツィ(原文まま)として提唱され、正式な名称として認められました。その後、国際細菌命名規約の推奨に従い、1973年にムーアらによってフソバクテリウム プラウスニッツィとして再分類され、この際に、誤植であったプラウススニッツィからプラウスニッツィに種名が変更されました。その後、分子生物学の発展により、この微生物はフソバクテリウムとは系統学的に離れた、クロストリジウム レプタムグループに近縁であることがわかり、フィーカリバクテリウム プラウスニッツィという新属に分類され、現在に至ります。属名は「便に関わる」という意味のfaecalis ;フィーカリスというラテン語と「小さな棒」を意味する bakterion ;バクテリオンというギリシャ語を組み合わせた、便に由来する桿菌という新たなラテン語で、プラウスニッツィは最初にこの微生物を分離したプラウスニッツに由来しています。

次世代のプロバイオティクス!?

 フィーカリバクテリウム プラウスニッツィは極端に酸素に敏感な細菌で、培養する際は酸素に触れさせることのないように、細心の注意が必要です。この性質のため、この細菌は小腸よりも酸素濃度の低い大腸に、そして大腸の粘膜付近よりも便の中に多く存在します。この細菌はヒトを含むさまざまな生物の消化管内に多数存在し、個人差はあるもののヒトの全腸内細菌のおよそ5%を占めると考えられています。また、この菌は酢酸を消費して、健康に有益な酪酸を産生するため、次世代のプロバイオティクスとしても期待されています。 

出典

Cato EP. et. al. Int J Syst Bacteriol 24:225-229. (1974).
Duncan SH. et al. Int J Syst Evol Microbiol 52: 2141-2146. (2002).
Bergey's Manual of Systematics of Archaea and Bacteria, Online © 2015
Miquel S. et. al. Curr Opin Microbiol 16: 255-261. (2013).
Miquel S. et al. Gut Microbes 5. (2014).

“フィーカリバクテリウム プラウスニッツイ”の関心度

「フィーカリバクテリウム プラウスニッツイ」の関心度を過去90日間のページビューを元に集計しています。

3か月前

今日

菌の図鑑関心度ランキング