菌の図鑑

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バクテロイデス フラクサス

バクテロイデス フラクサス
学名 Bacteroides fluxus
分類 Bacteroidota 門 Bacteroidia 綱
Bacteroidales 目 Bacteroidaceae 科
形状 桿菌
分布 ヒトの腸内
発見 2010年
発見者 渡邊ら(ヤクルト中央研究所)

菌の特徴

 2010年に分離したバクテロイデス属細菌の1つであるバクテロイデス フラクサスは、偏性嫌気性のグラム陰性桿菌です。菌体の大きさは1.0~1.4×1.0~2.5マイクロメートルですが、まれに7.5~52マイクロメートルまで伸長する細胞もあります。芽胞を作らず、また運動性を持ちません。グルコースを代謝すると、コハク酸と酢酸を作ります。

はかない命

 細菌を培養する際、培養時間があまりにも長すぎると死んでしまう菌種が存在します。バクテロイデス フラクサスの場合、液体培地や寒天培地に植えてから1日程度で増殖が頭打ちになり、更に1日ほど培養を続けると一気に死滅してしまいます。これほど短時間で死滅する腸内細菌は珍しいため、この菌種を分離した当初、何度も実験中に死滅させてしまい、頭を悩ませられました。

 短時間のうちに増殖し、すぐに死滅する性質にちなんで「はかない」という意味のラテン語からフラクサスと命名しました。

出典

 Watanabe Y et al. Bacteroides clarus sp. nov., Bacteroides fluxus sp. nov. and Bacteroides oleiciplenus sp. nov., isolated from human faeces.International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology,60(8):1864-1869(2010)

(2023年6月時点)

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