アッカーマンシア ムシニフィラ
学名 | Akkermansia muciniphila |
---|---|
分類 | Verrucomicrobiota 門 Verrucomicrobiia 綱 Verrucomicrobiales 目 Akkermansiaceae 科 |
形状 | 卵型 |
分布 | ヒトおよび動物の腸内 |
発見 | 2004年 |
発見者 | ムリエル・デリエンら(オランダ) |
アッカーマンシア ムシニフィラとは
胃や腸などの消化管の粘膜表面はムチンという粘性物質に覆われ、細菌の侵入などから保護されています。2004年、オランダのムリエル・デリエンは、このムチンを単一の栄養源として生育できる細菌を、健康なヒトの糞便から分離しました。オランダの著名な微生物生態学者の名前(アントーン・アッカーマンス)と、「ムチンを好む」という特徴から、この細菌はアッカーマンシア ムシニフィラと名づけられました。
欧州での研究として、アッカーマンシア ムシニフィラは、生後まもない乳児の糞便中に検出され、6か月齢では約7割の乳児が保菌するようになり、1歳では保菌率が成人と同レベルの9割に達すること、成人における腸内細菌の総数の1~4%を占めることが報告されており、腸内に大量に棲息する菌の一種に位置づけられます。
肥満や糖尿病との関連性
体重、肥満度指数(Body Mass Index:BMI)、血中コレステロール値、空腹時血糖値が高いヒトでは、正常なヒトに比べて、腸内のアッカーマンシア ムシニフィラが少ないとされています。また、過体重や肥満のヒトがカロリー制限の食事療法に取り組んだとき、腸内のアッカーマンシア ムシニフィラが元々多いヒトほどインスリン抵抗性の改善効果が顕著にあらわれるとの報告もあり、肥満や糖尿病との関連性が指摘されています。
アッカーマンシア ムシニフィラは、食事療法の有効性の診断指標やインスリン抵抗性の改善療法に応用できるのではないかと期待されています。
出典
Muriel D. et. al. Int J Syst and Evol Microbiol. 54:1469-1476. (2004).
Collado MC. et. al. Appl Environ Microbiol. 73:7767-7770. (2007).
Dao MC. et. al. Gut. 65:426-436 (2016).
(2023年6月時点)
“アッカーマンシア ムシニフィラ”の関心度
「アッカーマンシア ムシニフィラ」の関心度を過去90日間のページビューを元に集計しています。
3か月前
今日
菌の図鑑関心度ランキング
-
- 3位
- バチルス セレウス
-
- 10位
- シュードモナス エルギノーザ