菌の図鑑

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アリスティペス インディスティンクタス

アリスティペス インディスティンクタス
学名 Alistipes indistinctus
分類 Bacteroidetes 門 Bacteroidia 綱
Bacteroidales 目 Rikenellaceae 科
形状 桿菌
分布 ヒトの腸内
発見 2010年
発見者 長井ら(ヤクルト中央研究所)

菌の特徴

 アリスティペス インディスティンクタスは、偏性嫌気性※1の芽胞※2を持たないグラム陰性※3桿菌※4で、運動性を持ちません。菌体の大きさは、0.5~0.7×1.0~3.8マイクロメートルです。グルコースで培養したときに出来る最終代謝物はコハク酸と酢酸です。

生化学性状からは近縁種と区別できない

 以前はバクテロイデス属に分類されていた2菌種が、2003年にラウティオらによってアリスティペス属として新たに再分類されて報告されました。それ以降、本菌を含めて3菌種が新たに発見されました。5菌種共にヒトから分離されています。本菌の名前は、生化学性状では近縁種との明確な区別が付きにくいことからラテン語の「区別しにくい」を意味する"indistinctus "に由来して命名しました。

人種を問わずヒトの腸内に生育しています

 現在、世界各国でクローンライブラリー法※5による糞便の菌叢解析が行われています。その報告の中に、本菌と同種と思われる菌種が中国人やアメリカ人の腸内に存在すると記載されています。この菌は人種を問わず、幅広くヒトの腸内に生育していることがうかがわれます。

出典

Nagai F et al. Alistipes indistinctus sp. nov., and Odoribacter laneus sp. nov., common members of the human intestinal microbiota isolated from faeces.International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology.60(6):1296-1302(2010)

注釈

※1 偏性嫌気性菌 : 特に酸素を嫌う性質の菌。

※2 芽胞(がほう) : 胞子と同じ意味。細菌学の分野ではこの呼び方が多い。

※3 グラム陽性/陰性 : 細菌を色素で染色し、それにより細菌を分類する基準のひとつ。紫色に染まるものは陽性、紫色に染まらず赤く見えるものは陰性と区別される。染色の違いは細胞壁の構造の違いによる。

※4 桿菌(かんきん) : 棒状または円筒形の細菌の総称。

※5 クローンライブラリー法 : 混在する腸内細菌の16SrRNA遺伝子をPCRで複製した後、それぞれ単離し、塩基配列を解読することで、大量のコレクションを作成し、構成菌種を調べる方法。

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