菌の図鑑

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ロドコッカス ゾフィ

ロドコッカス ゾフィ
学名 Rhodococcus zopfii
分類 Actinobacteria 門 Actinomycetales 綱
Corynebacterineae 目 Nocardiaceae 科
形状 桿菌
分布 土壌、排水処理施設など
発見 1994年
発見者 ストッカーら(アメリカ)

ロドコッカス ゾフィとは

 ロドコッカス ゾフィは、土壌や排水処理施設などに生息するグラム陽性※1の桿菌※2です。1994年アメリカの研究者ストッカーらにより、毒性物質のトルエンを分解する菌としてバイオリアクターから分離されました。ロドコッカス属の細菌は、1980年代後半以降、遺伝子解析技術の発展などにより菌の分類が変更され、現在は13種が知られています。

女性ホルモン物質の分解性

 1997年に海外の著書「奪われし未来」が発表されて以来、環境ホルモン問題がクローズアップされました。各国の研究者から、河川中に生息する生物のメス化には排水処理施設から河川に放流される女性ホルモン物質が関わっているのではないかと、論文などで指摘されるようになりました。そこでヤクルト中央研究所では、女性ホルモン物質を分解する力を持つ微生物の探索を行いました。その結果、ロドコッカス ゾフィやロドコッカス イクイなどが女性ホルモン物質を分解することを見出し、2004年に発表しました。

 ロドコッカス属の中には、ポリ塩化ビフェニル(PCB)やトリクロロフェノールなど一般的な微生物では分解が難しく、かつ環境に悪影響を及ぼしてしまう物質を分解する能力がある菌種が報告されています。ロドコッカス ゾフィも、生物の尿に含まれるエストラジオールやエストロンなどのホルモンを分解するとともに、医薬品に使われているエチニルエストラジオールも分解することが分かっており、排水処理施設などにおける有効活用が期待されています。

出典

Yoshimoto T et al. Degradation of Estrogens by Rhodococcus zopfii and Rhodococcus equi Isolates from Activated Sludge in Wastewater Treatment Plants.Applied and Environmental Microbiology,70(9);5283-5289(2004)

注釈

※1 グラム陽性/陰性 : 細菌を色素で染色し、それにより細菌を分類する基準のひとつ。紫色に染まるものは陽性、紫色に染まらず赤く見えるものは陰性と区別される。染色の違いは細胞壁の構造の違いによる。

※2 桿菌(かんきん) : 棒状または円筒形の細菌の総称。

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