菌の図鑑

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バチルス セレウス

バチルス セレウス
学名 Bacillus cereus
分類 Firmicutes 門 Bacilli 綱
Bacillales 目 Bacillaceae 科
通称 セレウス菌
形状 桿菌
分布 土の中、水、食品中
発見 1887年
発見者 フランクランド夫妻(イギリス)

セレウス菌の発見

 セレウス菌は通性嫌気性※1の土壌細菌のひとつで、土壌、ほこり、水中など自然界に広く分布し、食中毒菌としても知られています。セレウス菌が食中毒の原因菌であることが明確になったのは、つい数十年前のことですが、セレウス菌そのものは、いまから100年以上も前の1887年にフランクランド夫妻が発見しています。この菌は育つ過程で小球状の多糖を作りますが、その色が蝋に似ていることからセレウス(ラテン語で蝋、蝋色を表す言葉)と名づけられました。酸素を好み芽胞※2をつくる桿菌※3であることから、それまでに発見されていた枯草菌と同じバチルス属に含まれるようになりました。セレウス菌のつくる芽胞※2は、熱や乾燥に強い抵抗性を示します。100℃、30分間の加熱に耐えて生き残るセレウス菌もいることが知られており、食中毒菌としてやっかいな菌であると言えます。

食中毒の原因と予防

 セレウス菌による食中毒の臨床的症状には二つのタイプのあることが知られています。一つは「嘔吐型」で、原因の食品を食べて1~6時間後に吐き気や嘔吐が主な症状として現れるもので、黄色ブドウ球菌による食中毒に類似しています。他方は腹痛、しぶり腹、下痢を主徴とする「下痢型」で、潜伏期間6~ 12時間後に症状が現れます。どちらも症状は軽く、一過性のものが普通で、発熟もありません。また、嘔吐型も下痢型もセレウス菌の感染症というよりも、本菌の増殖によって食品中に産生される毒素による中毒であると考えられています。

 この菌による食中毒の事例報告から原因食をあげてみると、プリン、チキンスープ、ひき肉、調理肉、ミートローフ、焼飯、マッシュポテト、スパゲティ、ピラフ、焼きそばなどが多いようです。ほとんどの原因食が「加熱」という過程を経た調理食であり、芽胞※2の耐熱性がひと役買っていると考えられます。

注釈

※1 通性嫌気性菌 : 酸素があってもなくても生息できる性質の菌。

※2 芽胞(がほう) : 胞子と同じ意味。細菌学の分野ではこの呼び方が多い。

※3 桿菌(かんきん) : 棒状または円筒形の細菌の総称。

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