培養法
細菌や細胞を人為的に増やす方法を「培養法」といいます。増殖に適した栄養素を含む液体培地や寒天培地を用いて、温度や酸素濃度、pH等の環境条件を整えることで、細菌は増殖します。
ヒト腸内に生息する細菌の中には、増殖に適した条件の範囲が非常に狭く、培養が難しい菌種が多く存在します。現在では、分子生物学的手法を用いることで、細菌を培養することなくそれぞれのゲノムを決定できるようになり、ヒト腸内にどんな細菌がどれくらい存在し、それぞれの細菌がどのような性質を持っているのかを理解できるようになってきています。
しかしながら、ゲノム上には未だ機能がわからない遺伝子が数多く存在します。また、細菌と細菌、細菌とヒトとの相互作用は大変複雑で、遺伝子のみからすべてを予測することは難しく、菌株を分離・培養して、個々の菌種・菌株の性質や相互関係を明らかにすることが求められます。多様な細菌が混在する糞便などのサンプルから特定の菌種を分離・培養することは困難が伴う作業ですが、さまざまな条件で培養を行うことで、特定の細菌を単離する努力が続けられています。メタゲノム解析等の分子生物学的手法が発展した現在でも、培養法による研究の重要性は増しています。
(2024年1月時点)
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