フコシルラクトース
フコシルラクトース(FL)はフコースとラクトースが結合したオリゴ糖で、ヒトの母乳に含まれるオリゴ糖(ヒトミルクオリゴ糖)の中で最も含有量の多いオリゴ糖です。
ヒトの母乳中には、フコースとラクトースの結合様式の違いにより、2'-FLと3-FLの2種類が含まれています。乳腺細胞に存在するフコシルトランスフェラーゼという酵素がそれらの合成に重要な役割を担っています。母乳に含まれるこれらのFLは大腸まで到達し、ビフィズス菌の餌になることが知られています。
乳児由来のビフィズス菌には、FLを菌体内に取り込んで増殖するための仕組みを持っている株が多く存在しています。このような菌株の消化管内への定着は、乳児腸内の有機酸濃度の上昇とpHの低下をもたらし、腸内でのビフィズス菌の割合を増大させ、大腸菌などの割合を低下させることが報告されています。
【参考文献】
1. Matsuki, T., Yahagi, K., Mori, H., Matsumoto, H., Hara, T., Tajima, S., Ogawa, E., Kodama, H., Yamamoto, K., Yamada, T., et al. A key genetic factor for fucosyllactose utilization affects infant gut microbiota development. Nat Commun. 2016 Jun 24;7:11939.
2. Tsukuda, N., Yahagi, K. et al. Key bacterial taxa and metabolic pathways affecting gut short-chain fatty acid profiles in early life ISME J. 2021 Sep;15(9):2574-2590.
(2023年4月時点)
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