ゲノム解析により生物のDNAの全塩基配列が読取られ、遺伝情報が明らかになると、ゲノム解析の結果を利用して、個々の遺伝子の働きを解析するなど新たな研究活動が展開されました。一方では、DNAに引き続き、メッセンジャーRNAやタンパク質、糖質、代謝物質などについても、生物が持つこれらの因子の全貌を明らかにする研究活動が開始されました。これら２つの研究活動の流れは、ゲノム解析に強い刺激を受け、ゲノム解析に引き続いて展開がなされたため、ポストゲノムと総称されます。生命活動のそれぞれの局面で、これらの構成因子の動態が明らかにされることにより、生物の総合的理解が進むとともに、環境、健康、栄養、疾病の予防、治療に役立つことが期待されます。

（2023年4月時点）