菌の図鑑

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スラッキア ピリフォルミス

スラッキア ピリフォルミス
学名 Slackia piriformis
分類 Actinomycetota 門 Coriobacteriia 綱
Eggerthellales 目 Eggerthellaceae 科
形状 桿菌
分布 ヒトの腸内
発見 2010年
発見者 長井ら(ヤクルト中央研究所)

菌の特徴

 スラッキア ピリフォルミスは、偏性嫌気性のグラム陽性菌で、芽胞をつくらず運動性を持たない菌です。 菌体の大きさは0.4~1.1×0.9~2.6マイクロメートルです。菌体の形は、不定形な西洋ナシ型でかつ鎖のように長く繋がっています。その繋がり方もさまざまで、数個が真っ直ぐ繋がったり、くねくねと歪みながら長く繋がっているものもあります。また、この菌は糖を資化する能力を持っていないことから、腸内でどのような栄養源を得て生育しているのかは不明です。

西洋ナシを連想して命名

 菌種名のピリフォルミスは、この菌の形が西洋ナシに似ている事から、 "pear form(西洋ナシの形)"を意味するラテン語"pirum formis"に由来して命名しました。

系統解析から

 系統解析の結果から、本菌はスラッキア属の新菌種であることが分かりました。スラッキア属とは、それまでペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus )属とユーバクテリウム(Eubacterium )属とされていた2菌種がウェイドらによって1999年に再分類されて新しく提唱された属です。

 従来、細菌の分類は生物・生化学性状を基本に行われていましたが、近年ではこれに代わり、16SrRNA遺伝子配列を指標として系統的に分類されてきています。そのために、菌名が修正されるものが次々と出てきました。このスラッキア属もそのようにして再分類されたひとつです。

出典

 Nagai F et al.Slackia piriformis sp. nov. and Collinsella tanakaei sp. nov., novel members of the family Coriobacteriaceae, isolated from human faeces.International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology. 60(11):2639-2646(2010)

(2023年6月時点)

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