サクシナティモナス ヒッペイ
学名 | Succinatimonas hippei |
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分類 | Pseudomonadota 門 Gammaproteobacteria 綱 Aeromonadales 目 Succinivibrionaceae 科 |
形状 | 桿菌 |
分布 | ヒトの腸内 |
発見 | 2010年 |
発見者 | 諸富ら(ヤクルト中央研究所) |
菌の特徴
偏性嫌気性のグラム陰性桿菌で、菌体の大きさは0.5~1.4×1.4~4.8マイクロメートルです。芽胞を作らず、また運動性を持ちません。グルコースを代謝してコハク酸をつくります。分子生物学的手法を用いた解析の結果、鶏の糞便中にも恐らく同種の細菌が存在することが示唆されています。
増殖には二酸化炭素が必要
嫌気性細菌を培養する際に、空気中の酸素を追い出すため、窒素ガスや炭酸ガスを使います。私たちはある時、窒素ガスを使うとサクシナティモナス ヒッペイは増殖せず、一方で炭酸ガスではよく増殖することに気が付きました。よく調べてみると、この菌種の増殖には二酸化炭素が必要だったのです。ヒトの腸内には、二酸化炭素を作る細菌が多く存在しますが、そのような細菌と共存することで、サクシナティモナス ヒッペイは腸内に定着できると考えられます。
新属の新菌種
分類学では、「種」よりも上位の階級に「属」があります。系統解析や生化学性状解析の結果、サクシナティモナス ヒッペイは、これまで知られていたどの属にも当てはまらない新属の新菌種で、種名に加えて属名も命名する必要がありました。属名は、グルコースを代謝してコハク酸を作るという特徴にちなんで「コハク酸を作る単細胞原生生物」という意味のラテン語からサクシナティモナス、種名は、細菌分類学の権威であるヒッペ博士の名前にちなんでヒッペイと名付けました。
(2023年6月時点)
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