ベイロネラ パルブラ
| 学名 | Veillonella parvula |
|---|---|
| 分類 | Bacillota 門 Negativicutes 綱 Veillonellales 目 Veillonellaceae 科 |
| 形状 | 球菌 |
| 分布 | ヒト、ラットおよびウサギの口腔または腸管 |
| 発見 | 1898年 |
| 発見者 | ベイロンとズーバー(フランス) |
ベイロネラ パルブラとは
ベイロネラ パルブラは偏性嫌気性グラム陰性球菌で、ヒトや動物の口腔および腸管から広く分離されます。この菌は0.3~0.5 マイクロメートルで芽胞を作りません。運動性のない小球菌であり、短い連鎖状、双球菌状または塊状になることもあります。グルコースやフルクトースなどの糖を発酵せず、乳酸塩、ピルビン酸塩およびフマール酸塩などを利用して生息します。代謝産物として酢酸やプロピオン酸から炭酸ガスや水素などを産生します。この菌を分離培養する場合、嫌気性菌用の分離培地で48時間嫌気培養を行うと、直径1ミリメートル以下の透明~灰白色のコロニーを形成します。血液含有の嫌気性菌用分離培地ではより発育が良くなります。
歯垢の原因菌のひとつ
ベイロネラ属菌は健康なヒトの口腔内の唾液、歯垢および歯肉溝などに生息しています。同じ口腔内には歯垢の原因菌と言われているストレプトコッカス属やフソバクテリウム属の菌も存在します。ストレプトコッカス属やフゾバクテリウム属のそれぞれの菌を一緒に培養すると歯垢が形成される量は少ないのですが、そこにベイロネラ属の菌を混ぜて培養することにより歯垢の量は格段に多くなったという研究報告があります。
毎日の歯磨きが不十分な場合には歯の周囲に歯垢が作られますが、ベイロネラ パルブラは歯垢の形成の初期段階から関与しています。また歯周溝にもこの菌は生息し、歯垢同様に酸素濃度が低いところでも生息が可能であることがわかっています。ヒトや動物の口腔以外にも腸管の常在菌として認められますが、病原性は極めて低いといわれています。稀ではありますが心内膜炎、髄膜炎および椎間板炎の患者の検体から分離された報告があります。
【参考資料】
1) 奥田 克爾(著). 「口腔内バイオフィルム デンタルプラーク細菌との戦い」医歯薬出版株式会社. 2004.
2) Teles FR et al. J Periodontal Res. 2012;47(1):95-104.
3) Loozen G et al. J Clin Periodontol. 2014;41(1):1-10.
4) 浜田 茂幸 他(編). 「口腔微生物学・免疫学 第3版」医歯薬出版株式会社. 2010.
5) Gronow S et al. Stand Genomic Sci. 2010;2(1):57-65.
6) 眞島 いづみ 他. 北海道医療大学歯学雑誌. 2011;30(1):87.
7) 平松 啓一 他(編). 「標準微生物学 第7版」医学書院. 1999.
(2023年6月時点)
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