シュードモナス エルギノーザ
学名 | Pseudomonas aeruginosa |
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分類 | Pseudomonadota 門 Gammaproteobacteria 綱 Pseudomonadales 目 Pseudomonadaceae 科 |
通称 | 緑膿菌 |
形状 | 桿菌 |
分布 | 土や水の中、ヒトや動物の腸内、傷口 |
発見 | 1872年 |
発見者 | J. シュレーター(ドイツ) |
菌の発見
1872年、ドイツのシュレーターという学者は、人の化膿した傷口などにすみつき、青緑色の色素を出す菌を発見し、これにバクテリウム エルギノーザムという名前をつけました。その後1882年、フランスのジュサールが緑色をした膿の中からこの菌を始めて分離しました。現在の正式な学名は、シュードモナス エルギノーザで、pseudo;シュードは「偽の」、monas;モナスは「鞭毛を持った単細胞原生生物の総称」、aeruginosa;エルギノーザは「緑青に満ちた」を意味するギリシア語に由来します。緑膿菌は、土壌、淡水、海水中など、自然環境のいたるところに生息する環境中の常在菌の一種であり、ヒトや動物の腸内に生息していることもあります。
菌の病原性
緑膿菌は、好気性菌の一種で色素やムコイド、外毒素といったこの菌に特徴的な多くの物質を作ることが知られています。これらの物質は緑膿菌の生育を助ける役割を果たしているだけでなく、病原性とも密接に関係しています。例えば膿が青緑色になるのは、緑膿菌が作るピアシアニンという色素が原因なのですが、このピアシアニンは細胞に対して毒性があります。またムコイドという粘着性の物質は、緑膿菌を覆い包んでバイオフィルムというバリアになります。消毒薬などの薬剤が浸透しにくく、白血球などからも逃れやすくなり、また付着力も強くなるので医療器具などに付着して院内感染を起こすケースも報告されています。またエキソトキシンAという外毒素も細胞毒性があります。
感染症原因菌
もともと緑膿菌は、健康なヒトに感染することはほとんどない毒性の低い菌です。ただし、免疫機能が低下したヒトや長期間の入院や手術などで抵抗力が落ちたヒト、寝たきりの老人などでは緑膿菌感染症が起きることがあり、発症した場合、薬剤が効きにくいので治療が困難になることが多く、院内感染菌として注意が払われています。また近年では多くの薬剤に耐性を獲得した多剤耐性緑膿菌も出現しており、医学上の問題になっています。
(2023年6月時点)
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